ハイ・イールド債券投資信託から同じタイプの商品への買い替えを勧められました。どうすればよいでしょう?
医療法人の理事長先生からお母様の資産運用についてのご質問です。
答えは、今回は見送ってください。
お母様の運用商品は米国ハイ・イールド債券投信レアルコース毎月分配型という商品です。
買い替えを勧められた商品は同じタイプの商品でアジア通貨コースというものです。
ベースの商品は同じで、運用する通貨だけが違うのです。
買い替えには数パーセントの高い手数料が必要になります。
買い替えの目的がよくわかりませんので、今回は見送っていただくことにしました。
毎月分配型の投資信託は現在の売れ筋商品で、投資信託の6割がこのタイプだという情報もあります。
年金のように毎月お金をもらえるので、ご年配の方を中心に人気があるようです。
お母様のお話をうかがいますと、不動産所得や公的年金などで相当の収入があり、日々の生活やレジャーなどには困らないとのこと。
また、お父様からの相続財産も保有されています。
今回のケースでは、お母様が毎月分配金をいただく必要はありませんでした。
気になるのは、ハイ・イールド債券に投資をしているということです。
募集資料にはこのように書かれています。
「米ドル建ての高利回り事業債(ハイ・イールド債といいます。)を実質的な主要投資対象とし、高水準のインカムゲインの確保と中長期的な信託財産の成長を図ることを目的として運用を行います。」
「ハイ・イールド債とは、一般的に格付けの低い社債(事業会社が発行する債券)で、格付機関によってBB格相当以下の格付(投機的格付)が付与されている高利回りの社債です。」
つまり、信用力の低い債券なので、運用利回りが高くなっているということです。
お母様は十分な資産、収入がおありなので敢えてリスクをおかして毎月の分配金をもらう必要はありません。
経済危機もささやかれるこの時期。
リスクの高い商品からより安全だと思われる商品に資産を移転することも検討してみてはいかがでしょうか。