利益が出始めたら医療法人を設立したほうが良いのでしょうか?
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
開院して2年経過した個人クリニックがあります。
医業経営が順調に推移し利益が出るようになったので、来年は税金を多く払うことになりそうです。
院長先生は医療法人を設立したほうがよいのではないかと考えていますが、設立は慎重に検討することをおすすめします。
まず医療法人を設立する目的を明確にしましょう。
今後の医業経営計画と個人のライフプランを考え、医療法人のメリット・デメリットを十分理解したうえで、個人での経営と医療法人での経営のどちらが適切なのかを具体的にシミュレーションして判断するようにしましょう。
医療法人のメリット・デメリットを言葉で理解しただけでは判断ができません。
個人で医業経営を継続した場合と、医療法人で医業経営を行った場合に財務状況がどのようになるのかを、経営の面と個人の生活の面と、全体的、長期的にシミュレーションしてみましょう。
そして、どちらがご自分の望む将来像に近づきやすいのかを冷静に判断してみてください。
感覚的にではなく、具体的な計画・数値で判断されることをおすすめします。
できれば誰が理事になるのか、そして理事報酬は誰にいくら支払うのかなど、できるだけ具体的な条件でシミュレーションしましょう。
一般的に医療法人のほうが税率が低いので有利だと考えられることが多いようですが、現状、将来計画を考えると、医療法人を設立しないほうがよいケースもあります。
具体的には個人での借入金返済が多額で、医療法人を設立しても高額の理事報酬を受け取る必要があり、所得の分散ができないケースなどでは、法人にしないほうがよいこともあります。
医療法人の設立は医業経営、ライフプランを実現するための手段です。
設立後に医療法人をどのように運営するのかが重要になります。
医療法人を設立すると、簡単には個人開設に戻すことはできません。
あわてることなく、じっくりと検討するようにしましょう。
当社では医療法人を設立するべきかどうか、いつ設立すると良いのかという判断をするお手伝いをしています。詳しくは以下をご覧ください。
医療法人設立シミュレーション