医療法人で加入している逓増定期保険の解約返戻金のピークが来ます。解約したほうがよいでしょうか?
医療法人の理事長先生からのご質問です。
今回のケースでは、今期の利益見込みを確認しながら解約のタイミングを検討することにしました。
逓増定期保険は節税のために利用されることが多いようです。
医療法人で利益が出ていたため、10年ほどまえに加入をされたとのこと。
逓増的保険は加入から10年前後で解約返戻金のピークが来て、その後急に返戻金が減少します。
このピークを逃すとせっかく貯まったお金が戻ってこなくなってしまいます。
では、解約すればいいのでしょうか?
そう簡単には話はまとまりません。
この逓増定期保険は保険料がすべて損金になっています。
解約返戻金はすべて益金になり、課税対象になるのです。
せっかく節税した効果がなくなってしまいますね。(返戻金は支払った保険料に届きませんので、結果的に預金においておいたほうがよかったことになってしまいます。)
今期の利益が赤字の見込みであれば、その補てんに解約返戻金を充当すればよいのですが、赤字にはなりそうにありません。
このようなケースは結構多いのではないでしょうか。
一般企業の場合は景気の影響などで、黒字、赤字を繰り返すことがありますが、経営が軌道に乗っている医療法人の場合は利益が安定的に出るケースがほとんどです。
逓増定期保険に加入される時には、出口(解約する時)のことをよく考えることをお勧めします。
逓増定期保険の会計処理については、こちらを参考にしてください。