医療法人の資金繰りが苦しくなったので生命保険を解約したい
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
ある医療法人の理事長先生から以下のようなご相談をいただきました。
「医療法人の資金繰りが苦しくなっているので、法人設立時に加入した生命保険を解約したい。」
というものです。
しかし、現状が分かりませんでしたので、状況を把握して全体的・長期的な視点から見て最も効果の高い対策を打つことをお勧めしました。
まず状況を確すると、確かに多額の生命保険に加入していて、それが資金繰りを圧迫している原因の一つであることは間違いありませんでした。
その他に資金繰りが悪くなった原因を探っていくと、最大の原因は理事長報酬・理事報酬が多額になっていることだということがわかりました。
理事長先生の家計で必要な金額を大幅に上回っていたのです。
そのため、個人で最高税率の所得税・住民税を払った後、医療法人に個人が貸し付けをしている状況でした。
これでは自らわざわざ税金を多く払って、資金繰りを悪くしているようなものですね。
そこで、個人でいくらの報酬が必要なのかを考え、それにあわせて理事報酬を適切な金額に引き下げることにしました。
それで資金繰りは十分回るようになりました。
また、現在加入している生命保険には加入している目的がありました。
万一の時の借入金の返済リスクをカバーすること、将来の理事退職金支払いのための積み立てなどです。
慌てて生命保険を解約しなかったので、本来の役割も失わずに済みました。
保障が無くなることによるリスクや、高齢になると保険料が高くなり、健康を害すると加入できなくなる恐れがあります。
生命保険の解約は慎重に検討するようにしましょう。
必要のない過大な生命保険に加入している場合には解約しても良いことは言うまでもありません。
何か課題が出てくるとすぐに対策を打ちたくなることがあります。
その気持ちはよくわかりますが、後から失敗したと後悔しないよう、全体的・長期的視野に立って根本的な原因は何かということを考えるようにしてください。
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