クリニックのスタッフ業務をどこまで知っていますか
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
昨日、私のクライアントのドクター数名で情報交換会を開催しました。
気心の知れた人同士で、本音の話ができる貴重な場です。
皆さん開院して10数年以上経っているベテランの院長先生ばかりです。
その中で、受付・事務スタッフは新卒しか採用しないという先生がいます。
私は、このようなクリニックを他で見たことがありません。
一般的には社会で働いた経験のある人や、医療機関での勤務経験がある人を採用することが多いと思います。
その理由は一般常識や業務を教えるのが大変なので、経験者、即戦力を求めたいということです。
しかし、そのドクターはそうではないと言います。
「新卒と言っても、医療専門学校の卒業生を採用しているので、基本的な知識は持っている。
そして、接遇などもきちんと教えられているので、教育すれば比較的早く戦力化できる。」
採用の基準はその人柄が良いかどうかということですが、新卒の場合は成績や評価も知ることができるので、見誤ることがほとんどないようです。
そして何よりも、
「自院の仕事の仕方はオンリーワンなので、他のクリニックなどでの経験はあまり関係がなく、かえって白紙の人の方が素直に吸収できるのだ。」
とも言われていました。
しかし、現在いるスタッフが通常の業務を行いながら、新しいスタッフを育てることは生半可なことではありません。
そのためには、それができる組織の風土がなければなりません。
そして、この風土は一朝一夕に作られたものではなく、開院当初から院長先生自らが作ってきたのです。
開院時には受付やレセプト業務を自ら学び、実際に行ってみて、スタッフと考え指導したとのこと。
この結果、現在の体制をとることができるようになったのです。
その先生はこうも言います。
「どんなに優秀なスタッフでも、経営者である自分よりも真剣に業務を行うことは無い。
なので、自分が業務を知り、適切に行う指導をすることが経営者としての役割だ。」
自ら診療を行いながら、このように詳細な部分まで対応をするということは大変なことです。
誰もが、同じことができるとは限りません。
ただ、自分が経営者としてスタッフに正面から向き合うという姿勢はどのクリニックでも必要なことだと思います。
そして、自分に合ったやり方で、自分がのぞむクリニックをコツコツと作っていくことが大切だということを再認識することができました。