年度末の駆け込み節税には要注意

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

クリニックの決算の見込み数字が出て、利益が思った以上に出そうな時に、

「何か節税対策を打たなくては・・・」

と考える先生が多いのではないでしょうか。
適切な節税はどんどんしていいのですが、そうでないケースも見受けられますのでご注意ください。

クリニックを開院して10年以上経つベテランの院長先生がいます。

今期は予想以上に利益が出そうなのですが、来期は諸事情で厳しい数字になりそうだとのこと。

そこで、期末に節税のため電子カルテの買い替えを検討しています。

電子カルテは構成によって価格は違いますが、少なくとも数百万円はしますね。

少し心配になったので先生に質問をしてみました。

「電子カルテを買うと、経費になると思っていませんか?」

先生からは、

「経費にならなないの?」

という返事が返ってきました。

「電子カルテを購入しても、全額一度には経費になりません。電子カルテは数年かけて減価償却をします。
一年間の減価償却費を購入時から年度末までの月割りで計算して経費にします。」

とお伝えすると、少しがっかりした様子でした。

あまり節税効果がないのであれば、慌てて高いものを購入して後から後悔しないよう、じっくりと検討するのも一つの方法です。

また、薬剤や医療材料などをまとめて購入することもあるようですが、これも注意が必要です。

購入したものがすべて経費になるわけではありません。

年度末に購入したものが在庫になっていると、それは経費にはなりません。

このように慌てて節税対策を行おうとしてもあまり意味がないことが多いようです。

特に設備投資には要注意です。土地は購入して経費にはなりませんので注意してください。
節税対策をするときには顧問税理士さんによく確認した上で、有効な方法かどうかを確認するようにしてください。

利益が出ると節税をしたくなる気持ちはわかるのですが、クリニック経営の目的は節税ではなく、できる限り多くのお金を手元に残して財務体質を強化することです。

何も対策を打たず、素直に税金を払ったほうが多くのお金が手元に残ることもありますので、目的を見失わないようにしてください。

クリニックに残るお金の計算方法を以下の動画でお伝えしています。
ぜひご覧ください。(5:43)
クリニックのお金が不足する原因と解消方法1

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