クリニックの売上回復には経営データの分析が欠かせません アフターコロナのクリニック経営その7
ドクター総合支援センターの近藤です。
クリニックの経営課題はデータがないと解決できません。
経営データは税理士さんにお願いして作っているクリニックがほとんどだと思いますが、そのデータだけでは足りないのです。
なぜならば、損益計算書や貸借対照表は結果を現している表で、なぜ経営がうまくいっていないのかその原因は書かれていないのです。
クリニック経営の最大の課題である売上不足を例にとってみましょう。
損益計算書を見ると売上が足りず、赤字になっているということは分かっても、なぜ売上が不足しているのかはわかりません。予想はできても論理的に原因を探ることはできないのです。
では、どのようなデータがあると論理的に原因を探ることができるのでしょうか。
売上を要素に分解するとこのようになります。
売上 = 診療単価 × 患者数
この式から、売上が下がった原因は診療単価が下がったか、患者数が下がったかの2つに分けられることがわかります。
患者数が下がった原因としては新患数が下がったことが考えられますので、新患数のデータをとるといいですね。
新患数が下がったことがわかれば、なぜだろうか?と考えその原因となるデータをとるといいでしょう。
例えばホームページを見て来院する人が減っているのであれば、なんらかの問題がホームページで発生していると思われるので、原因を探り対策を打てば良いのです。
このように、なぜだろう?という疑問を解消するためのデータを取り続けて、時系列にみていくと課題が出たときの原因がわかり、すぐに対策を打つことができます。
よくあるケースでは、診療単価が知らないうちに下がっていることがあります。
先生は全く自覚がないのですが、多忙などの理由で本来行うべき検査が抜けていたりすることがあるのです。
診療単価が10%下がると売上が10%下がり、利益は大幅に減少します。
下手をすると、赤字になりかねません。
ですので、このようなデータは当月末、翌月初には確認してすぐに対策が打てるようにしておきましょう。
税理士さんからの月次決算書は早くて1ヶ月後、遅いと2ヶ月以上後に出てきますので、それを待たずにまずは速報をまとめることが重要です。
このようなデータをまとめることは結構大変な業務で、スタッフの協力が欠かせません。
また最近の電子カルテでは必要な経営データをまとめる機能があったり、そのデータをまとめて分析できるアプリもあったりするようです。
必要に応じて、活用してみてください。
動画を以下でご覧ください。
0:17 税理士のデータだけでは課題の原因はわからない
1:10 課題解決のためにどんなデータをとれば良いのか
5:40 基本的にとるべきデータ
6:59 データを時系列にとり続ける
8:25 データははやくとり、課題があればすぐに対策をうつ
10:12 データをとるにはスタッフの協力が必要
経営分析アプリ、電子カルテの活用