クリニックを経営する上で事実と解釈の違いを考えてみる
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
事実と解釈は一致しないことがある
クリニックの経営をする上で、事実と解釈の違いを認識しておくことは重要です。
事実は本当にそうであること、解釈はその事実を見たり聞いたりした人が自分のフィルターを通して考えていることです。
解釈はその人のフィルターを通っているので、事実と異なっているかもしれません。
解釈を事実として扱うと、課題でないことを課題と思ったり、原因でないことを原因であると思ったりしてしまう危険性があります。
誤った認識でその対策を打っても、労力がかかるばかりで意味がありません。
真面目な院長先生やスタッフほど問題意識が強く、課題があればすぐに対策を打とうとしますが、それが本当に課題なのかどうか、原因は何なのかをじっくり見極めることが大事です。
待ち時間が長いからといって患者さんが不満を持っているとは限らない
こんなケースはよくあるのではないでしょうか。
評判の良いクリニックになると、患者数が多くなり、待ち時間が長くなりがちです。院長先生もスタッフも日頃からそのことが気になっていて、何とかしたいと考えている。
もちろん、日々待ち時間を短くできないか、患者さんにとって良い方法はないだろうか、と努力をしています。
そんな時、あるスタッフが患者さんが「今日も◯◯分待ちか・・・」とつぶやくのを聞いた。
そのスタッフは日頃から申し訳なく思っているので、「患者さんが不満を漏らしていた」と認識した。
ここで事実は「患者さんがつぶやいたこと」、認識は「患者さんが不満を持っている」ということです。
患者さんが不満を持っていることが事実かどうかは、患者さんに聞いてみないとわからないことです。
これは一つの例ですが、何か課題があった時に「それは本当に課題なのだろうか?」と考えてみる習慣を持つと良いかもしれません。