クリニックの数値目標は「売上」ではなく「利益」にする
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
クリニックを開院する時には銀行から資金を借りることがほとんどです。
私は借入時には返済を猶予していただくようお願いしています。
現在の医療業界の環境では、開院直後から多くの方に来院いただき、すぐに黒字化することはなかなか困難だからです。
赤字の時に返済をすると、手元資金がどんどん減っていき、下手をすると資金不足になってしまいかねません。
ですので、開院時には返済を猶予してもらい、その間に返済をしても手元にお金が残るよう一刻も早く経営を軌道に乗せることが重要です。
返済猶予期間が終わる時には、売上目標を ***万円にしなければならない、と考える先生がおられます。
これは間違いではないのですが、最終目標は利益にしなければなりません。
なぜならば、いくら売上が上がっても利益が上がらなければお金はどんどん減っていくからです。
利益は以下の計算式で表されます。
利益 = 売上 — 経費
売上が上がっても、それよりも経費が多ければ利益はマイナスになります。
そして手元に残るお金は以下の計算式で概算できます。
手元に残るお金 = 利益 — 税金 — 借入金返済元本 + 減価償却費
この計算式から、利益が出なければお金は手元に残らないことがわかります。
そして、税金を払い、借入返済をしてもお金がプラスになる利益を目標にする必要があるのです。
事業計画の経費を前提に「これだけの売上があれば必要な利益が得られる」と考えることは間違いではありません。
しかし、油断するといつの間にか経費が多くなっていて利益が不足してしまうこともよくあるのです。
月次の速報レベルでは売上でチェックし、月次決算資料が出来上がった時に利益をチェックするといった、ダブルチェックをしていると安心だと思います。
数字の最終目標はあくまでも利益であるということを忘れないようにしてください。
利益を上げるには売上を上げるか経費を下げるしかありません。そして、売上を上げるには診療単価を増やすか患者数を増やすしかありません。
このことについて動画でお話ししていますので、ご覧ください。
無料メールマガジン登録フォーム
ドクターの経営・ライフプランのリアルなヒントを無料配信しています。