診療報酬改定の議論始まる
厚生労働省は15日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、診療報酬の来年度改定に向けた議論を始めました。ただ、今回の議論では病院勤務医の負担軽減のため開業医よりも病院に報酬を手厚く配分すべきだとの意見が強く、改定の焦点となりそうです。
政府は来年度予算編成で社会保障費を2200億円抑制する方針を撤回し、高齢化に伴う自然増1兆900億円を容認する模様です。改定率は2002年以降引き下げられてきましたが、10年ぶりのプラスとなる公算が大きいと思われます。
政府は「骨太の方針2009」で「『選択と集中』に基づき、報酬の配分の見直しを行う」として、勤務医の疲弊が問題になっている病院や、医師不足が目立つ診療科に重点配分する方向性をにじませています。この日の部会でも「開業医と病院の再診料の格差是正が必要だ」といった意見が相次いだ模様です。
しかし、開業医への配分が相対的に減ることになるため、日本医師会は「地域医療立て直しに全体的なアップが必要」と反発しているようです。
診療報酬全体では10年ぶりにアップする可能性が高いようですが、開業医はあまり期待できないかもしれません。
診療報酬改定の内容把握と対策を行うのはもちろんですが、厚生労働省の施策に関係なく、いかに患者さんに選んでいただくかの努力を継続していきたいと思います。