【今日の質問】クリニックのスタッフのうち一名のみ退職金の積み立てをしたいと思います。生命保険の活用はできますか? 答えはコチラ⇒
クリニックの院長先生からのご質問です。数名のスタッフのうち、一名の方の退職金の積み立てをしたいとのことです。生命保険で経費化しながら積立をすることができるのでしょうか?というご質問です。
【答え】
まずは退職金制度がどのような内容なのかを把握して、それに応じた積立方法を検討しましょう。
クリニックのスタッフの退職金積立方法には中退共や生命保険などがあります。
どの方法が適切かは退職金制度やそのクリニックの状況(スタッフが長期にわたって働かれるのか、入れ替わりが多いのかなど)によって変わってきます。
短期間でスタッフが変わるクリニックでは、そもそも退職金制度は不要かもしれません。
ご質問をいただいたクリニックにも退職金制度はありません。
クリニックで長期間働いていただいたスタッフが3年後に退職される予定です。
これまでの労に報いるため退職金を支払ってあげたいとの思いでご質問をいただきました。
このようなケースでは、生命保険を利用することはお勧めできません。
多くの理由がありますが、短期間では解約の戻り率が悪く、メリットがないことが最大の理由です。
またスタッフの中でお一人だけ生命保険に加入することで、他のスタッフのモチベーションが落ちることも考えられます。
退職金の支払予定金額をうかがいますと、莫大なものではありません。
であれば銀行預金から支払ってあげるとよいのではないでしょうか。
退職金を支払うことは法律で定められているものではありません。
また、制度そのものを持っていない医療施設、企業も多数あります。
ただ、一度退職金制度を作ると支払い義務が発生しますし、内容を変更することも容易ではありません。(不利益変更は困難です。)
退職金制度を作る時には目的をよく考え、内容は慎重につくるようにしましょう。
できれば制度に詳しい社会保険労務士さんなどにアドバイスをいただくことをお勧めします。