【今日の質問】学会に参加するため診療日の半日を休診しました。半日休診のスタッフ給与は支払わなくてもよいのでしょうか? 【答え】はコチラ⇒
おはようございます。
ドクターよろず相談所の近藤隆二です。
今日のご質問は医療法人の理事長先生からいただきました。
急に学会に参加することになり、診療日の午後を休診しました。
スタッフの給与を半日分は支払わなくてもよいのでしょうか?
という内容です。
【答え】
この場合は休診した半日分の平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなくてはいけません。
労働基準法第二十六条には以下のように書かれています。
(休業手当)
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当てを支払わなければならない。
このケースは理事長先生が学会に出席するために休診としたので、「使用者の責に帰すべき事由」となり休業手当を支払う必要があります。
休業手当は平均賃金の6割以上を支払えばよいのですが、実際に支払う金額は状況にあわせて慎重に決定しましょう。
尚、3月の大震災に伴う計画停電時の休業手当については、原則として労働基準法第二十六条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しません。
よって、休業手当を支払わなくても法二十六条違反とはなりません。
ただし、計画停電時間帯以外の時間帯も含めて休業をする場合においては、扱いが異なります。
この場合は、他の手段での可能性はないのか否か、休業回避等の具体的な努力をしたか否か等を総合的に勘案し、それでもなお、計画停電の時間帯のみを休業とすることが経営上著しく不適当と認められる場合については、計画停電時間帯以外の時間帯も含めて休業手当の義務はないとされます。
個々の事情により変わりますので、注意が必要です。
【参考】
計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取り扱いについて(厚生労働省)