良いチーム作りはクリニック経営の礎

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

今日はクリニック経営にとって、良いチームづくりが欠かせないことについてお伝えします。

少し長い文章ですが、ぜひお読みください。

序章 良いチームづくりの重要性

クリニック経営冬の時代において、クリニックを良い状態に整えることが重要です。

クリニック経営を継続するための礎と言っても過言ではありません。

患者さんに自院を選んでいただけるための情報をわかりやすく発信し続けることで(コミュニティ、マーケティング)患者さんに受診していただくことはできます。

しかし、患者さんの期待通り、あるいはそれ以上の対応ができる体制(チーム)が整っていないと満足していただけず、継続受診や紹介が発生することはありません。

また、スタッフが働きやすい環境が整っていないと退職者が相次ぎ、新たな採用をしてもすぐに辞めてしまうことになりかねません。

人手不足が深刻な状況では採用そのものができず、業務が回らなくなってしまう可能性もあります。

クリニックというチームを患者さんにとってもスタッフにとっても良い状態に整えておくことがいかに重要なことかご理解いただけたことと思います。

■クリニック経営におけるチームの役割

クリニック経営において、院長やスタッフは単なる個々の働き手ではなく、一つのチームとして機能することが求められます。院長のビジョンを共有し、スタッフ全員がそれに向かって協力することで、クリニック全体のパフォーマンスが向上します。

チームがうまく機能することで、スタッフ間のコミュニケーションが円滑になり、日々の業務がスムーズに進行します。また、患者さんに対しても一貫したサービスを提供することができ、クリニックの信頼性を高めることにつながります。

■良いチームづくりがもたらす効果

良いチームを構築することで、スタッフ一人ひとりが自分の役割を理解し、責任感を持って業務に取り組むようになります。これにより、業務の効率化や品質向上が図られ、結果的に患者満足度の向上にもつながります。

さらに、チーム内での相互支援やフィードバックが活発になることで、スタッフ全員の成長が促進されます。成長したスタッフが増えることで、クリニック全体のレベルが向上し、より高い水準の医療サービスを提供することができるようになります。

また、院長先生とスタッフ、スタッフ同士の関係性が良好に保てることで長期にわたってスタッフが働き続けてくれることも忘れてはなりません。

第一章 良いチームづくりの基礎

■良いチームなくして良いクリニック経営はできない

クリニック経営の成功には、優れたチームの存在が欠かせません。院長がどれだけビジョンを持っていても、それを実現するのはスタッフの力です。良いチームが形成されていなければ、業務の効率化や患者対応の質の向上は難しくなります。

特に、日々の診療や患者対応においては、スタッフ全員が一丸となって取り組むことが求められます。患者さんが安心して治療を受けられる環境を作り出すためには、スタッフ間の協力とコミュニケーションが不可欠です。

■チームメンバーの役割と重要性

チームを形成するにあたり、各メンバーがどのような役割を果たすかが重要です。院長はもちろんのこと、看護師、受付スタッフ、診療補助のスタッフ、それぞれが自分の役割をしっかりと理解し、その役割を全うすることで、チーム全体がスムーズに機能します。

また、クリニック外部の専門家や業者もチームの一員と考えるべきです。税理士や社会保険労務士、製薬会社の担当者など、クリニックの運営に関わるすべての人々が協力し合うことで、クリニックの運営が安定し、患者さんにより良いサービスを提供することが可能となります。

第二章 組織崩壊のリスクと事例

クリニック経営において、組織の崩壊は大きなリスクとなります。たとえ優れたチームを構築しても、適切な管理や対策を怠ると、組織は簡単に崩壊してしまいます。

■組織崩壊の典型的な事例

スタッフが一挙に退職するなど、組織崩壊の事例は、クリニック経営の現場では珍しくありません。例えば、院長の指示にスタッフ全員が従わなくなる、いわゆる「お局様」問題があります。このケースでは、特定のスタッフが力を持ち、他のスタッフがその指示にのみ従うようになるため、院長の意向が無視されてしまいます。

また、特定のスタッフが全権を握り、院長が現場の実態を把握できなくなるケースもあります。このような場合、院長とスタッフ、スタッフ間のコミュニケーションが断絶し、クリニック全体の機能が低下してしまいます。

■組織崩壊を防ぐための対策

組織崩壊を防ぐためには、まず就業規則やルールなどの整備が重要です。適切な就業規則がないと、スタッフ間の不公平感が生じたり、行動がバラバラになったりして組織の一体感が失われます。また、ルールがあってもそれが現場にそぐわなかったり、周知徹底がなされていなかったりすることも問題です。

さらに、コミュニケーションの不足が組織崩壊の大きな要因となります。院長がスタッフとしっかり向き合い、定期的に現状を把握することで、早期に問題を発見し、対策を講じることが可能になります。

■まとめ

組織崩壊は、クリニック経営における深刻なリスクです。しかし、適切な管理と早期の対策によって、そのリスクを最小限に抑えることができます。就業規則の整備やスタッフとのコミュニケーションを大切にし、組織を健全な状態に保つことが、クリニック経営の成功に直結するのです。

第三章 組織健全化のための信頼関係の構築

クリニックを健全に運営するためには、院長とスタッフの間に強固な信頼関係を築くことが不可欠です。信頼関係がなければ、組織の統一感が失われ、業務の効率も低下します。

■信頼関係を築くためのステップ

信頼関係を築くためには、まず院長先生自身がクリニックのビジョンや価値観を明確にし、それをスタッフに伝え続けることが大切です。スタッフは、院長が何を目指しているのか、どのような価値観を大切にしているのかを理解することで、業務に対するモチベーションが高まります。

次に、院長が自らその価値観を体現する姿勢を示すことが必要です。言葉だけでなく、日々の行動を通じて価値観を示すことで、スタッフは院長に対する信頼を深めます。この信頼が、クリニック全体の一体感を生み出し、健全な組織運営につながります。

■院長先生の価値観と行動の重要性

院長先生の価値観と行動は、クリニックの運営において非常に大きな影響力を持ちます。院長がスタッフに対して信頼と尊重を示すことで、スタッフもまた同様に院長に対して信頼と尊重を抱くようになります。

また、院長が自らの価値観を日常の業務に反映させることで、スタッフはその価値観に共感し、クリニック全体で一貫した行動を取ることができます。これにより、クリニック内でのコミュニケーションが円滑になり、患者さんに対しても統一されたサービスを提供することができるのです。

■まとめ

信頼関係を築くことは、組織を健全に保つための基本中の基本です。院長先生がクリニックのビジョンや価値観を明確にし、それを日々の行動で体現することで、スタッフとの信頼関係が深まり、クリニック全体の一体感が生まれます。このようにして築かれた信頼関係は、クリニック経営の成功に欠かせない要素となります。

第四章 信頼関係を築く具体的手法

クリニック経営において、信頼関係を築くことは組織の健全性を保つために不可欠です。信頼関係があることで、スタッフは安心して働くことができ、業務の質も向上します。

■募集時の価値観共有の重要性

信頼関係を築く最初のステップは、スタッフの募集時にあります。新しいスタッフを採用する際、院長がクリニックの価値観やビジョンを明確に伝えることが重要です。これにより、クリニックの価値観に共感するスタッフを採用でき、採用後も一貫した方向性で働くことが期待できます。

募集時にクリニックの価値観をしっかりと伝えることで、スタッフは自分の役割や期待される行動を理解し、入職後もその価値観を持って業務に取り組むことができます。これが、長期的な信頼関係の基盤となります。

■継続的な価値観の伝達と体現

採用時に価値観を共有するだけでなく、その後も継続的に価値観を伝え続けることが重要です。院長が定期的にクリニックのビジョンや価値観をスタッフに伝え、それを実際に行動で示すことで、スタッフとの信頼関係はさらに深まります。

また、価値観を体現するための行動指針や具体的な事例を共有することで、スタッフが日々の業務において何を優先すべきかが明確になります。このような取り組みは、スタッフが一貫した行動を取ることを促し、クリニック全体の一体感を強化します。

■まとめ

信頼関係を築くためには、募集時から価値観を共有し、その後も継続的に伝達し続けることが大切です。院長が自ら価値観を体現し、スタッフにその重要性を伝えることで、組織内の信頼関係が強固なものとなり、クリニック全体のパフォーマンス向上につながります。これにより、患者さんに対しても一貫した高品質のサービスを提供することが可能になります。

第五章 組織の維持と発展

クリニック経営において、組織を良い状態に保ち続けることは非常に重要です。組織が健全であれば、スタッフの働きやすさが向上し、患者さんに対するサービスの質も高まります。

また良い環境であればスタッフは長期に渡って働き続けてくれるので、業務のレベルアップが図れ、人手不足の心配をすることもなくなります。

■組織を良い状態に保つための努力

組織を良好な状態に保つためには、日々の努力が欠かせません。最初に良いチームを作り上げたとしても、その状態を維持し続けるためには、継続的なフォローが必要です。例えば、定期的なミーティングや個別面談などを通じて、スタッフが抱える問題や課題を早期に把握し、解決することが重要です。

また、業務の改善や新たなチャレンジを促すことで、スタッフがモチベーションを維持し、クリニック全体が前向きな姿勢を保つことができます。このような取り組みが、組織の健全な状態を長期間維持するための鍵となります。

■内的動機づけと信頼関係の強化

外的な要因だけでなく、スタッフの内的な動機づけも組織の発展には重要な役割を果たします。給与や労働条件の改善も大切ですが、それだけではスタッフの長期的なモチベーションを保つことは難しいでしょう。むしろ、スタッフが自分の仕事にやりがいを感じ、成長を実感できる環境を整えることが重要です。

また、信頼関係の強化は、組織の発展において欠かせない要素です。院長とスタッフの間に強固な信頼関係が築かれていれば、スタッフは安心して業務に取り組むことができ、結果としてクリニック全体のパフォーマンス向上につながります。

■まとめ

組織の維持と発展には、日々の努力と内的な動機づけ、そして信頼関係の強化が不可欠です。クリニック経営者として、これらの要素をしっかりと意識し、継続的に取り組むことで、スタッフが安心して働ける環境を提供し、クリニックの成長を支えることができるでしょう。

第六章 組織崩壊の原因と対策

クリニック経営において、組織の崩壊は避けなければならない最も重大なリスクの一つです。組織崩壊の原因をしっかりと理解し、それに対する効果的な対策を講じることが、クリニックの安定した運営にとって非常に重要です。

■目に見える原因

目に見える原因として最も一般的なのが、就業規則やルールが整備されていないことです。クリニックにおける就業規則は、スタッフがどのように働くべきかを示す基本的な指針です。これが不十分であったり、曖昧であったりすると、スタッフ間での誤解や不満が生じ、最終的には組織全体の調和が崩れることになります。

また、既存のルールがあっても、それが現場にマッチしていない、または周知徹底がされていない場合も問題です。スタッフがルールを知らない、または守らない状況では、クリニック内での不協和音が増え、組織の崩壊を招くリスクが高まります。

■目に見えない原因

一方で、目に見えない原因も組織崩壊の大きな要因となります。その一つが、院長とスタッフ間、またはスタッフ同士のコミュニケーションの不足です。コミュニケーションが不十分だと、信頼関係が築けず、スタッフが抱える問題や不満が表面化しにくくなります。このような状況が続くと、組織の健全性が失われ、やがて崩壊に至る可能性があります。

さらに、スタッフ一人ひとりの特性や能力を正しく把握し、適切な役割分担を行わないことも、組織崩壊の原因となります。適材適所が実現されていない場合、業務の効率が低下し、スタッフ間での摩擦が生じやすくなります。

■就業規則とコミュニケーションの重要性

これらの原因に対する対策として、まずは就業規則やルールを整備し、それをクリニック内で徹底させることが重要です。スタッフ全員がルールを理解し、日々の業務に適用することで、組織の一体感を保つことができます。

また、定期的なコミュニケーションを通じて、スタッフとの信頼関係を築くことも欠かせません。院長がスタッフ一人ひとりに関心を持ち、適切なフィードバックを行うことで、スタッフのモチベーションを維持し、組織全体の健全性を保つことができます。

■まとめ

組織崩壊を防ぐためには、目に見える原因と目に見えない原因の両方に対処することが求められます。就業規則の整備とコミュニケーションの充実が、組織の健全性を保ち、クリニックの安定した運営を支える基盤となります。これらの対策をしっかりと講じることで、クリニックの長期的な成功を確保できるでしょう。

第七章 組織の健全性を保つためのリーダーシップ

クリニック経営において、組織の健全性を保つためには、強力なリーダーシップが欠かせません。リーダーがしっかりとしたビジョンを持ち、それをスタッフに共有することで、組織全体が一丸となって目標に向かうことができます。

■リーダー候補の発掘と育成

組織の健全性を維持するためには、リーダー候補の発掘と育成が重要です。クリニックが成長し続けるためには、院長だけでなく、複数のリーダーが必要です。これにより、組織の運営がスムーズに行われ、院長の負担も軽減されます。

リーダー候補の発掘においては、常勤スタッフだけでなく、パートタイムスタッフも含めて考えるべきです。パートタイムスタッフであっても、人間力があり、リーダーシップを発揮できる人物がいれば、その人材を育成し、組織の中心的な役割を担わせることができます。

■リーダーシップと任せきりのリスク

リーダーシップを発揮することは重要ですが、リーダーにすべてを任せきりにすることにはリスクがあります。リーダーに全ての権限を委ねすぎると、他のスタッフが疎外感を感じたり、リーダー自身が過度のプレッシャーを抱えることになる可能性があります。

院長は、リーダーに適切な権限を与えつつも、組織全体のバランスを保つために、定期的にリーダーとコミュニケーションを取り、サポートすることが必要です。リーダーシップは組織を導く力であると同時に、組織全体を健全に保つための調整役としても機能しなければなりません。

■まとめ

組織の健全性を保つためには、リーダーシップが欠かせません。リーダー候補を積極的に発掘し、育成することで、クリニック全体が安定し、院長の負担も軽減されます。しかし、リーダーにすべてを任せきりにせず、院長が組織全体をしっかりと見守り、サポートすることで、組織の健全性を保つことができます。リーダーシップは、組織を強固にするための鍵となるのです。

第八章 組織の健全性維持のための具体策

クリニック経営において、組織の健全性を維持することは長期的な成功の鍵となります。健全な組織を保つためには、日々の業務の中で具体的な対策を講じることが不可欠です。

■定期的なミーティングと個別面談の活用

組織の健全性を保つためには、定期的なミーティングを行うことが重要です。ミーティングを通じて、スタッフ全員が現在の課題や進捗状況を共有し、お互いの意見を交換することで、チーム全体の一体感が高まります。ミーティングは、情報の共有や意思決定を迅速に行うための場としても機能します。

また、個別面談の活用も効果的です。個別面談では、スタッフ一人ひとりの意見や悩みを直接聞くことができるため、スタッフが抱える問題を早期に発見し、適切なサポートを提供することができます。個別面談は、スタッフとの信頼関係を深め、モチベーションを維持するためにも重要な手段です。

■心理的安全を確保するための施策

組織の健全性を保つためには、スタッフが安心して働ける環境を整えることが不可欠です。心理的安全が確保された職場では、スタッフが自由に意見を述べたり、失敗を恐れずにチャレンジすることができるため、組織全体のパフォーマンスが向上します。

心理的安全を確保するためには、院長やリーダーがスタッフの意見を尊重し、耳を傾ける姿勢を示すことが重要です。また、チーム内でのコミュニケーションを円滑にするための取り組みや、スタッフが安心して相談できる体制を整えることも大切です。このような施策を通じて、スタッフが心地よく働ける環境を提供することが、組織の健全性を維持する鍵となります。

■まとめ

組織の健全性を維持するためには、定期的なミーティングや個別面談を活用し、スタッフとのコミュニケーションを強化することが重要です。また、心理的安全を確保するための施策を講じることで、スタッフが安心して働ける環境を整え、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。これらの具体的な取り組みを通じて、クリニックの長期的な成功を支える健全な組織を築いていきましょう。

終章 三方良しの経営を目指して

クリニック経営において、患者、スタッフ、そして院長の全員が満足する「三方良し」の経営を実現することが理想です。これを達成するためには、バランスの取れた経営と健全な組織運営が必要です。

■患者、スタッフ、院長の全員が満足する経営の実現

三方良しの経営とは、患者さんが良い医療サービスを受け、スタッフが働きがいを感じ、院長がクリニックの成長と安定を実感できる経営を指します。患者さんが満足するためには、質の高い医療を提供し、安心して治療を受けられる環境を整えることが重要です。

一方で、スタッフが満足するためには、働きやすい職場環境と公正な待遇が欠かせません。スタッフが安心して働ける環境を提供することで、業務に対するモチベーションが高まり、結果的に患者さんへのサービスの質が向上します。

そして、院長自身もクリニックの経営にやりがいを感じ、組織全体の成長を楽しむことが大切です。院長が自分のビジョンを実現し、クリニックが地域に貢献していると実感できれば、三方良しの経営が実現されます。

■良い価値観を持つ院長の役割

三方良しの経営を実現するためには、院長が良い価値観を持ち、それをクリニック全体に浸透させることが必要です。院長がリーダーとしての役割を果たし、スタッフに対して誠実で公正な姿勢を示すことで、クリニック内の信頼関係が深まります。

また、院長が患者さんに対しても真摯に向き合い、地域社会に貢献する姿勢を持つことが、クリニックの評判を高め、地域に愛されるクリニックへと成長させる要因となります。院長の価値観がクリニックの方向性を決定し、それが三方良しの経営を支える基盤となるのです。

■まとめ

三方良しの経営を目指すことは、クリニック経営の成功に直結します。患者、スタッフ、院長の全員が満足する環境を整え、健全な組織運営を実現することで、クリニックは地域社会に貢献し、長期的な成長を遂げることができます。院長が良い価値観を持ち、それをクリニック全体に浸透させることで、三方良しの経営が現実のものとなります。

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