クリニック経営冬の時代、患者さんから選ばれるクリニックになる方法
ドクター総合支援センターの近藤です。
今日は以前お届けしたstand.fm 「クリニック経営よもやま話」
【クリニック経営冬の時代、患者さんから選ばれるクリニックになる方法】
というテーマでお話しした内容を文字にしてお届けします。
最後に音声のリンクを貼っていますので、よろしければそちらもお聴きください。
【新型コロナウイルスでクリニック経営冬の時代が早まった】
新型コロナウィルスの感染が始まって2年半以上経ってるわけですけれども、厳しい環境から回復してらっしゃる先生もいらっしゃいますし、なかなか患者さんが戻らないという状況でご苦労されてる先生もいらっしゃると思います。クリニック経営がこのような厳しい状態になることは実は以前から予測されていました。
具体的に言うと経済産業省が2015年に出したデータがあって外来医療需要、主にクリニックを受診される患者さんの数が2025年を境に大幅に下がると予測されていたんです。人口が減る事とご高齢の方の人口が増えて、そういう方々が受診できなくなるという理由から急激に外来受診者数が少なくなることが予測されていました。
また、診療所の数は現在も増え続けていて、大体100,000件余りのクリニックがあり、現在も増え続けています。新型コロナで件数が減っていくんじゃないかなと予測されたんですけど、そんな事はなくて現在も多くのクリニックが開院しています。ご高齢の先生が診療を辞められることもあるんですけども、新規開院数から閉院数を差し引いたものが毎年増えていってるのです。
受診する患者さんの数は減っていくにもかかわらず、クリニックの数は増えていますので単純計算をすると一件あたりの患者数が減っていく状態になっていると思います。
そのような中でも患者さんが増えているところ、なかなか昔のように患者さんが来なくなるところに分かれている感じがしています。なので現在診療されてらっしゃる先生もこれから開院されようと考えてらっしゃる先生もこの事はぜひご理解いただいて、じゃあこれからどうすればいいのかこういうことを考えていかれることをおすすめします。
【これからは患者さんから選ばれるために何をすれば良いのかを考える】
今日は患者さんに選ばれるクリニックとそうでないクリニックの違いについてお話をします。
いろんなことがあるんですけれども1番大きなはポイントは患者さんが必要とする情報をわかりやすく伝え続けているかどうかだというふうに思っています。
新型コロナウィルスで大幅に患者さんが減った診療科目は小児科で、以前の半分位患者数が減ったんですけれどもクリニックによっても既に元に戻る、あるいはそれ以上の患者さんが来ている。クリニックによっては全く戻らない、こういう風に大きな差がついています。
ある地域でA、B、Cの3つのクリニックがあったんですけれども、このABCも同じような状況でAは以前よりも多い患者さん、Bは以前と同じ位の患者さん、Cは以前に全く戻らないような状況だったんです。
新型コロナの感染でお母さん方のクリニックを選ぶポイントとしてコロナの感染リスクに神経質になっておられて、その対策をしっかりしてるかどうかがクリニック選ぶポイントになったんです。
A B Cとも同じようにしっかり感染対策をしていたんですけど大きな差がついたのは、さっきお話しした患者さんが必要としている情報をしっかり伝えたかどうかという事なんですね。
Aクリニックは対策としてどういうことをしているのかっていうことをしっかりと写真に撮って詳しく説明してそれをホームページに載せて、しかもトップページに当院の感染対策のボタンを作って、いかにしっかりしてるかってことを伝えていた。
Bクリニックは感染対策をしてホームページ載せているんですけど、あまりしっかりと伝えてなかった。
Cクリニックは最近お父さんから息子さんが承継をしたばかりでホームページがなかったので、そういうアナウンスができなかった。
これだけで、ものすごく大きな差がつくんだということなんでしょう。
特に小児のお母さんは何かあったらすぐにスマホでクリニックの情報を検索します。患者さんは健康の不安があるとすぐにスマホで情報を検索しますのでホームページとかブログとか、最近だったらYouTubeとかインスタとかインターネットを活用した情報発信の仕方、これによって大きな差がつくんだということをぜひご理解いただければと思います。
ある程度の年齢以上の先生方で良い診療をされているにも関わらず苦戦しておられる先生方がおられます。
やはりこの部分が非常に大きなネックになっていることが多いように思いますので、ぜひインターネットを活用した患者さんに役に立つ情報発信を検討してみていただければと思います。
【クリニックの商品を明確に伝える】
クリニックの商品という言葉はあまり聞いたことがないかもしれません。
医療を提供されてる側からすると診療をする、健康改善するということになると思うんですけれども、患者さん側から見た場合にはどうでしょうか。
患者さんが買いたい商品は現在自分の体調が悪い、具合が悪いところがあってそれを治してくれる具体的な治療が商品になるんでしょうね。
大枠でこういう医療をしますよ、ということは商品ではなくてマクロの考え方になるわけです。患者さんにはそれぞれ別の不調があるわけで、それにピンポイントでマッチするこういう治療をやってますよってことを伝えていく必要があるんだろうなと思っています。
例えば秋になると台風が来て咳が出てなかなか止まらないこういう患者さんがいたとして、そういう場合にはこういうことが予測されて多くの場合こういう検査・問診をしてこういうことがわかって、こういう治療・投薬をすると良くなることが多いですよ、みたいなことです。
その具体的な情報を見て患者さんはそれを買いたい(受信したい)というふうに思うんですよね。
しかし、そういうことをやってるケースはあまり見たことがありません。
ですので患者さんから選んでいただくため、自院の商品を買っていただくため(受信していただく)には具体的な症状別の事例をわかりやすくピンポイントで伝える必要があると思います。
ぜひホームページやブログなどで具体的な情報を伝えていただければと思います。
最近、こんな患者さんが多いなぁと思ったら、その後にはもっともっと何倍も同じことで困ってる方がおられると思いますのでそういう方に向けてわかりやすく情報を伝えていっただくことが非常に大切なのではないかなぁと言うふうに思っています。
音声は以下でお聴きください。
【クリニック経営よもやま話】
クリニック経営冬の時代は既に始まっている