クリニックスタッフに意欲的に働いてもらう方法
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
クリニックを経営されている院長先生はスタッフに意欲的に働いてほしいと考えていると思います。
具体的には患者さんの立場に立って考え行動てほしい、自分で課題を見つけ改善策を考えて行動してほしい、スタッフ同士うまく連携をとって仕事をしてほしい・・・
こんなことですね。
そして、日々そのためにスタッフが働きやすい環境を整えたり、意向を伝えたり、指導をしたり、様々な努力をされていることと思います。
しかし、なかなか成果が出ず、どうすればよいのか分からないという方がおられるかもしれません。
院長先生が地道にスタッフに働き続けることで、スタッフが少しずつ意欲的に働いてくれるようになったクリニックがありますので、事例をお届けします。
そのクリニックはスタッフの人間関係は良いのですが、みんな横並びといった感じで積極的に自ら行動するという雰囲気ではありませんでした。
院長先生はそのような状態ではクリニックの成長は望めないと考え、積極的に課題を見つけ改善をすること、スタッフ同士でサポートし合うことなどを日々個別に指導したり、全体ミーティングで伝えたりしてきましたが状況はあまり変わりませんでした。
ゆとり世代のスタッフが多く、積極的に自分から行動するということが苦手なのかもしれません。
そこで、少しやり方を変えたのです。
意欲的に働く意識があるスタッフを、新たに始まる業務のリーダーとして任命し、中心となって仕事を進めてもらうようにしました。
そのスタッフは自分で分からないことを調べたり、行政と連絡を取り合ったり、業務の流れをまとめて他のスタッフに共有したり、こんなことをするうちに全体ミーティングでそのスタッフの存在感が増してきたように感じました。
控えめで自分から積極的に発言はしないスタッフでしたが、任されて仕事を進めていくうちに成長していき、やりがいを感じるようになってきたようにも感じました。
そのような時に、コロナウイルスの陽性者が増え始めその対応を考えなければならなくなりました。
そこで別のスタッフに対応のフロー図の作成を依頼したところ、パソコンでしっかりとした書類を作りスタッフミーティングでシェアすることができました。
しかも、これは受付スタッフと診療アシスタントの共作だったのです。
受付スタッフが日々対応している内容を考えてまとめ、パソコン業務が得意なアシスタントスタッフがパソコンで仕上げてくれたのです。
これはこのクリニックにとって画期的なことでした。
これまでも人間関係はよかったのですが、部門が違うので積極的に仕事を一緒にしていこうという状態ではなかったのです。
このように少しずつではありますが、意欲的に自分たちで考え連携をしながら仕事をしていくという環境が整い始めていると感じています。
このように一度にスタッフ全員を底上げするのではなく、一部のスタッフが変わることでその影響を周りに伝えていくという方法は地味ではありますが有効ではないかと感じています。
もちろんスタッフ一人一人の個性や強みを見極めて、誰にどの仕事を任せるのかを考えたり、そのスタッフが孤立しないようにケアしたり、他のスタッフの様子を見ながら対策を打ったり、細やかな院長先生の行動があっての成果です。
このクリニックのこれからの成長がますます楽しみになってきました。