チームの力を活かすクリニックを作る 横浜FC 三浦知良選手に学ぶ
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
クリニック経営において最重要なことの一つは、「クリニックというチーム」を整えることです。
最近、このことを再認識させられることが幾つかありました。
先日、あるクリニックの事務リーダーから院長先生に現状についての訴えがありました。
「患者さんが多すぎて、もうこれ以上無理です。何とかしてください。」
現状を把握して、改善や簡素化できる部分がないかどうかを考えてもらいましたが、
「やはり、これ以上は無理です。」
とのことでした。
そこで、さらに詳しく現状を把握するために事務スタッフ全員と個別面談をしました。
すると、違った現実が見えてきたのです。
多くのスタッフは、
「現在の業務で簡素化できること、改善できることは数多くあり、まだまだやれる。」
と感じていたのです。
そして、
「もっと様々な仕事を経験して、レベルアップをしたい。」
とも考えていました。
個別面談からわかったことは、優秀な事務リーダーがその優秀性のために様々な仕事を一人で行い、余裕がなくなっていたということでした。
どんなに優秀なスタッフでも全てを一人で行うことはできません。
また、余裕がないと冷静に全体を見て判断をすることも困難です。
これはスポーツのチームでいうと、エースが自分一人で結果を出そうとして空回りし、うまくいかないことに似ています。
これとは違う方法で結果を出しているのが、横浜FCの三浦知良選手です。
先日、50歳で出場した後の新聞記事を読むとそのことがよく理解できますので、引用させていただきます。
ここから引用
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もしサッカーが純粋に個人対個人のスポーツだったら、50歳まで選手でいることなどできないよ。
自分一人で全部をできる状況などないのだから、周りの人の走力、体力、知恵と共存しなきゃ。
周りに助けられ、自分もチームのためにすべてを尽くす。
自分だけを抜き出して評価するのではなく、周囲との関係性においてどうかを見ていかないといけない。
周りに関わり、良くしていくことで自分も良くなっていく。
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ここまで※
引用元 日本経済新聞3月3日号「サッカー人として」より
どんなに優秀なスタッフでも全ての分野にわたってパーフェクトであるということはありません。
そして、スタッフそれぞれには強みもあり、弱みもあります。
クリニック経営では、不完全であるスタッフの力を合わせて、全体として良いパフォーマンスを出すことが望まれるのですが、それがマネジメントできるスタッフはなかなかいません。
ここに院長先生の出番があります。
院長先生はクリニックというチームの監督のようなものです。
三浦選手のような考え方でスタッフが働けるクリニックであれば、うまくいかない訳がありません。
ぜひこのような環境づくりにチャレンジしてみてください。