風花病棟(かざはなびょうとう)
新年明けましておめでとうございます。
本年も日々の活動などを書き綴っていきたいと思います。
おつきあいよろしくお願いいたします。
年末年始、「風花病棟」 帚木蓬生 著 を読みました。
帚木さんは1947年生まれの現役の精神科医です。仏文科を卒業後、放送会社に勤務。その後医学部を卒業された経歴の持ち主です。
この本の中で、帚木さんは医師を主人公とした10の短編を書かれています。
ベテランの男性医師、女性の研修医、大学の教授、リタイアを目前にした開業医など、さまざまな医師の方々の心の動きを見事に描いています。
患者さんとの関わり、その中での悩みや喜びが医療関係者ではない私でも少しは感じることができました。
患者さんと向かい合う方々の真剣な姿勢に心を打たれます。
その中でも最後の「終診」には思わず引き込まれてしまいました。
70歳くらいの開業医のリタイアメントについての短編です。
長年診てきた患者さんへの申し訳ない気持ち、素晴らしい患者さんとの関係への感謝の気持ち、新しい生活への不安、事業を承継する後輩の先生への心遣いなど、実際に医療に携わった方にしか描けない内容です。
今までリタイアをされる先生のお気持ちまで十分に感じることはできなかったのですが、この小説で少しだけ疑似体験ができたように感じました。
今月のセミナーにこの体験を活かしたいと思います。