組織の構成員が別の世界で生きているとどうなるのか?
様々な組織でその構成員がバラバラな考えを持っていてうまくいかない・・・
こんなことがよくありますね。
人は一人一人が独自の世界で生きているので、うまくいかないのが当たり前なのかもしれません。
サッカー漫画「アオアシ」を読むと組織がなぜうまくいかないのかがよくわかります。
アオアシの主人公は愛媛県の中学校でサッカー部に所属していた青井葦人(アシト)という少年です。
アシトはJリーグ一部の東京エスペリオンのユースチーム監督の福田達也に偶然見出され、中学卒業と同時に東京でサッカーをすることになります。
ユースチームには下部から昇格した優秀な選手が多く、アシトは彼らとうまく連携をとることができません。
その原因はズバリ、アシトと昇格組の選手達が生きている世界、見ている世界が違うからです。
そのせいで、練習試合でアシトと他の選手たちは全く噛み合いません。
こんな感じです。(浅利、黒田が昇格組です。コーチの望さんも途中で入ります。)
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浅利「サッカーをやろう」
アシト「普段通り、当たり前のことをやろう」
黒田「よ、よし」「も、戻せ青井!何やってるんだ!?」
アシト「え、え、!?な、なんだよせっかく・・外からゴール前に運べたのに!?」
浅利、黒田「不穏な空気」
アシト「? !?」
浅利、黒田「青井ぃィ!僕らの動きをよく見ろ!?」「もう一回だ!行くぞ。」
アシト「普段通り、普段通り・・・ 俺がこの場所でキープ・・・そこに走り込んで抜ける、そしたら俺が点を取れる!!」
「え!!?さっきまであそこにあったスペースが消えて・・うおっ」
黒田「青井! なんで僕に出すんだ!!馬鹿野郎!!!」
アシト「え!?え?えええ〜〜〜!?」
「あ。」
ボールを奪われ点を取られる
黒田「青井君。当たり前のことをやるんじゃなかったのか?当たり前のことが何かもわかってないじゃないか、君は!!!」
望コーチ「・・・よく考えろ。なぜ、黒田と浅利はお前に怒りをぶつけてきたのか?21人もいたメンバーの中で、なぜ、あの二人だけが怒ったのか?答えを見つけてこい。これがお前の、次の課題だ。」
アシト「止めて、蹴るの練習にかかりっきりてのはあったけど、何にしても溝があるよなあ、いまだに・・・」
黒田、浅利「パスからメッセージが伝わらないの?青井ィ!僕らの動きをよく見ろ!」
アシト「・・・たぶん俺は、あいつらにはできる当たり前のことが、できてないんや。・・・まだ、仲間と思われてないんやろうな・・・あいつらに・・・」
望コーチ「どうして浅利と黒田が怒ったのか考えろ。」
アシト「どうしてって俺に実力がないからやろ。そんなんわかっとるわ!もうええ!ここで考えたってしゃあない。今日も一日基礎練じゃー!!オフだろうが頑張ってあいつらに差つけたらぁ」
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ちょっと長くなりましたが、アシトと他の選手たちが全く噛み合っていないことがよくわかりますね。
そして、アシトはなぜ噛み合わないのか何もわかっていません。
噛み合わない原因は、アシトと他の選手たちが考えているサッカーが全く違うということでした。
アシトは愛媛の中学校で指導者もいないままサッカーをしてきました。そして「ボールは一人で進めていき自分で点を取るものだ」と考えています。昇格組は小さな子供の時から優れたコーチから「ボールは少なくとも3人で進めていくものだ」と教えられそれが身に染みついているのです。
アシトと昇格組は全く違った環境で育ち、全く違った世界で生きていたのです。
これでは噛み合うはずがありません。
しかし、彼らはお互いを理解しあえるようになっていくのです。
どうすればそうなれるのか、次回はそんなことをお伝えしてまいります。