多くの患者さんが来て、満足度が高くても経営危機に陥ることがある
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
多くの患者さんが来ていて、患者さんの満足度も非常に高いクリニックがあります。
院長先生の専門性は高く、医療に対する姿勢が素晴らしく、毎月のように学会や勉強会で最先端の治療法を学び続けている。
なので患者さんの症状が改善し、評判が良く、良い口コミが広がり、さらに来院数が増えている。
こんな理想的な状況です。
しかし、こんなクリニックにもかかわらず経営危機に陥る危険性があります。
その原因はスタッフが忙しすぎてこれ以上患者さんが増えるとパンクしてしまう、という状況になっていることです。
贅沢な悩みですが、これはクリニック存続の危機です。
これまでも業務の改善をし続けてきているのですが、それでも追いつきません。
「何が根本的な原因でどうすれば良いのか」
と聞いても明確な答えが返ってきません。
忙しすぎて、じっくりと考えたり、スタッフ同士で話し合いをする時間さえ取れていなかったからです。
こんな時にはゆっくり時間をとって、院長先生も含め、みんなでミーティングをすることをお勧めします。
存続の危機なので、休診日や、半日休診にしてでもミーティングは行うべきです。
そして、肩書きやキャリアに関係なく、みんながフラットな立場で意見や考えを話し合える環境を作ってください。
人は自分の過去の経験で価値基準を作ってしまいます。
そして、自分が行ってきたことを客観的に見て判断することはできません。
そんな固定観念を外して、多くの人の視点や感性で考えないと、根本的な解決策を見つけ出すことは困難だからです。
このような場を作ることは継続して良い経営を行うためには不可欠です。
現在は経営危機に陥ってなくても、スタッフの話し合いの場を設けていないクリニックは知らず知らずのうちに危機に向かっている途中かもしれません。
ぜひ、定期的なスタッフミーティングを開催して、危機の芽を早めに摘み取るようにしてください。