新型コロナウィルス対策、クリニックがお金を確保できる制度は何か考えてみました(4月24日更新)

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

医療の現場では毎日大変なご苦労がおありになると思います。

くれぐれも心身のご健康にお気をつけください。

先日、新型コロナウィルス対策に使える国などの制度についてご案内をさせていただきましたが、新たな情報をお伝えします。

ご参考になりましたら幸いです。

様々な制度が国から出されていますが、現在有効で使えそうな制度について詳しくお伝えします。

売上が前年対比で50%以上減った月があるクリニックは「持続化給付金」が使えそうです。

法人で最大200万円、個人で最大100万円の給付が受けられます。

4月最終週に手続き方法が決まるようで、申請はWEBで行え、支給も速そうです。

まずは概要を以下でご確認ください。

「雇用調整助成金」は売上が前年対比で5%以上下がりスタッフに休業してもらった場合に使えますが制度が複雑です。
以下の動画を見ていただくとよく理解できると思います。
特に重要なことはスタッフと話し合いをして休業労使協定を結ぶ必要があることです。
まずは概要を把握して、自院で使えそうかどうかを判断してみてください。(1.2.は必須です。)

1.制度概要

2.申請手順

3.教育訓練加算

以下4月18日にお届けした情報です。

【小学校等休校対応助成金】
子供を持つ保護者のパートタイマーに手伝ってもらっているクリニックも多いでしょう。臨時休校中に働けなくなった就労者に対して、雇用主は特別有給手当を支給することができます。支給した給与は100%全額国が助成してくれます。制度を利用した方が、従業員にも雇用主にもメリットがあります。ただし、この制度も申請から助成金をもらえるまでは2~3ヶ月以上の期間が予定されていますので、その間の資金確保が必須です。

小学校等休校対応助成金

「飲食店の生き残り戦略」という情報をネットで見つけました。

飲食店とクリニックでは経営基盤に大きな違いがあると思いますが、どのような業種にも共通する経営の基本が書かれていますので、共有させていただきます。

クリニックには適切ではない内容があるかもしれませんが、考え方を理解していただき、自院で取り組むことができることがないか考えてみてください。

過大な薬品や医療材料を抱えていないか、必要のない経費が知らないうちに増えていないかなどを見直すだけで、経営の基盤を強くすることができるかもしれません。

皆さまのご参考になりましたら幸いです。

重要なポイントが以下のように書かれています。

【経営を継続するための基本】

経営を継続するための方法は1つしかない。お金がなくなることを防ぐことだ。

そのためには、①お金を増やすこと、②お金を減らさないこと、だ。

①お金を増やすこと
1.お金を借りる
2.お金をもらう
3.お金を稼ぐ
4.持ってるものをお金に換える
5.入金を早くする

②お金を減らさないこと
1.コストを減らす
2. 出金を遅くする

結論を先に伝えておくと、この中で、まず短期的に取り組むべきことは、「緊急性(スピード)」「効果性」「実現可能性」が高い下記の方策である。

「お金を借りる」日本政策金融公庫とセーフティネット保証で借りよう。

緊急なら行政の小口資金融資を利用しよう。

「お金を稼ぐ」販売数が見込める商品設計を行い、テイクアウト販売を強化する。

認知向上策を店頭とネットの両面で行おう。

「持っているものをお金に換える」在庫を徹底して減らして、お金に変えよう。

「入金を早くする」クレジットカードや電子マネー決済を導入していたのであれば、現金のみ決済に変更して現金確保につとめよう。

「コストを減らす」不動産契約を確認したうえで、賃料減額依頼をしよう。

資金繰りが厳しいなら最悪でも支払いを猶予してもらおう。

「出金を遅くする」所得税と消費税の税金の支払い猶予を申請しよう。

すでに借入金があるならば、返済日より先に返済猶予を申し出よう。

支払い関係は全部クレジットカード(あるいは請求書による後払い)に変更して最大限現金の流出をおくらせよう。

それ以外にも有効な手はたくさんある。思いつけるもののすべてを、以降に記載した。順に伝えていくので読んでほしい。

飲食店の生き残り戦略 飲食店がコロナに打ち勝つためのすべて

以下4月15日にお届けした情報です。

新型コロナウイルスの流行で受診抑制があったり、状況によっては休診せざるをえないことがあるかもしれません。

そうなると診療報酬が減少し、資金繰りが厳しくなる可能性が出てきます。

もしかすると、一時的にスタッフに休業してもらわなければならなくなるかもしれません。

そんな時にどのような制度が利用できるのかを考えてみました。

今具体的に使える制度は以下のようなものだと思われます。

*雇用調整助成金(売上が前年対比で5%以上下がりスタッフに休業してもらった場合)
*様々な融資制度
*持続化給付金(昨年より売上が50%以上下がった月がある場合)
*傷病手当金(スタッフが感染で休んだ場合)
*生活福祉資金制度による緊急小口貸し付けなどの特例貸付
など

具体的な事例でどのように利用できるのか考えてみましょう。

今回のように大幅に業績が落ち込んだためスタッフに休業してもらう場合、休業はクリニックの都合になりますので、スタッフには通常の給与の6割以上の休業手当を支払う必要があります。

そして、業績低下による休業手当を支払った場合には*雇用調整助成金の申請をすることができます。スタッフの解雇をしない場合には支払った休業手当の9割をもらうことができます。

*雇用調整助成金については以下のホームページがわかりやすく詳しく説明されていますのでご覧下さい。詳しくは社会保険労務士さんにご確認ください。
最大9割支給の「雇用調整助成金」、コロナ特例を徹底解説

しかし、雇用調整助成金の申請は大変混み合っているようで、お金が入ってくるのは数ヶ月後になるとの予想もあるようです。

ですので、当面の資金を賄うために借り入れなどで資金を確保しておく必要があります。

*政府の保証による融資や、日本政策金融公庫による融資など様々な制度がありますが、まずはメインバンクに相談してみてください。

そして、アドバイスをいただきながら、これらの中で自院にマッチする制度を選び早めに行動されることをお勧めします。

*融資制度については以下の資料の4ページ以降をお読みください。
「新型コロナウィルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ 経済産業省」

また、スタッフが新型コロナウィルスに感染したり、感染が疑われる症状のため自宅で療養したなどには公的健康保険の*傷病手当金制度を利用するこができます。

様々な理由でスタッフの所得が減少した場合には、*生活福祉資金融資制度を利用して融資を受けることも可能です。

*傷病手当金制度、生活福祉資金融資制度は以下のホームページをお読みください。
働く人 経営者への支援は
新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による 緊急小口貸付等の特例貸付について(Q&A)
詳しくは社会保険労務士さんにご確認ください。

大切なことは、この混乱が収まったときに、クリニックがV字回復するまでの道のりをイメージすることです。

何度も書きますが、雇用調整助成金がもらえるからといっても、入金は数ヶ月後になる可能性が高いので注意が必要です。

スタッフのうち誰を、何日休ませるか、その他に費用は削減できないか、休業手当の額は賃金の何割にするのかなどコロナショック収束後のその先まで見据えて経営判断をすることが求められます。

またこのような非常事態にどのような対応をするかで経営者とスタッフの信頼関係が築けるか、なくなってしまうかが決まります。

スタッフそれぞれの状況を把握し、その状況に併せてじっくりと話し合いをしながら対応をしていくことが大切です。

考えようによっては、今回のショックは経営を根本的に見直すことができる良いチャンスと捉えることができるかもしれません。

さらに良いクリニックになるために、何をすれば良いのかじっくりと考えてみてください。

*スタッフを休ませる場合の措置については以下のホームページ4をご覧ください。
「新型コロナウイルスに関するQ&A 企業の方向け」

一日もはやい新型コロナウイルスの収束と皆様のご健康をお祈りいたします。

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