クリニック経営理念の上手な活用方法
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
私はクライアントとの定期経営会議を行う前にスタッフミーティングにも参加させていただくことがあります。
先日、新年早々のスタッフミーティングで、経営理念の素晴らしい活用方法を拝見しましたので紹介をさせていただきます。
私自身は経営理念を作ることを良いことだと考えていますが、それがマイナス効果をもたらしていることが多いとも感じています。
では、どのような時に経営理念がマイナス効果をもたらすのでしょうか?
それは経営理念が「絵に描いた餅」になっている場合です。
具体的に言うと、経営理念があってもそれがクリニック全体に浸透していなくて、日々の行動に活かせていない場合にはマイナス効果をもたらすと考えています。
クリニック全体とはスタッフはもちろん、院長先生も含まれると考えてください。
わかりやすい例を挙げてみましょう。
「患者さんに常に笑顔で対応します」
という経営理念があったとしましょう。
そして、ホームページにもその理念を掲載しているとします。
患者さんがそのホームページを見て「笑顔での対応」を期待して来院した時にスタッフはもちろん、院長先生にも笑顔がなかったとしたらどうでしょう。
患者さんは嘘をつかれたと感じ、もうこのクリニックに来るのはやめようと思うのではないでしょうか?
このように経営理念を外部に向けて発信することもありだと思いますが、私は内部の判断基準・行動基準として活用する方が有効ではないかと感じることがあります。
今回はまさに内部の判断基準・行動基準として活用された事例でした。
スタッフミーティングの議題として、「患者さんとのトラブル対応」が挙げられました。
トラブルの内容をお聞きすると、明らかに患者さんに非がある内容で、そのような患者さんには強硬に対応をするという結論を出しても良いのではないかと私自身感じた内容でした。
その時に院長先生が自院の経営理念をスタッフに伝え、それを基準に対策を考えるよう言われたのです。
その経営理念は、
「まずは患者さんにとって良いこと、そして自分たちにとっても良いことを考え行動する」
というニュアンスのものでした。
院長先生のその発言をきっかけに、ミーティングの場の雰囲気が大きく変わりました。
スタッフの方々は自分の内面を見つめながら、じっくりと考え始めたのです。
そして、出た対策は患者さんへの思いやりに溢れたものでした。
良い経営理念は日々の判断をするとき、特に難題の判断をするときに活用すると大変効果的だということを思い出させていただけた一瞬でした。
みなさんのクリニックの経営理念はどのようなものでしょうか?
日々の経営判断・行動にその理念は活かされていますでしょうか?
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