分院の院長先生と有利な契約を結びたい

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

初めて分院を開設することになった医療法人からご相談をいただきました。

分院開設は決めたのですが、分院長になる予定の先生との契約はこれからとのこと。

分院の開設には多額の設備投資が必要で、黒字転換には時間がかかること、分院長が退職すると大きな経営リスクを抱えることになることなどから、勝手に辞められないようにするなど、なるべく有利な条件で契約書を作りたいとのこと。

また、ある程度の独立性を持たせながら、分院のコントロールもしたいとの考えです。

このように分院を開設する前に、分院長就任予定の先生と明確な文書を交わしておくことは大変重要なことです。

しかし、その内容は分院開設を決める前にお互い納した上で、できるだけ詳細まで決めておくことをお勧めします。

そうしないと、後から言った言わないなどのトラブルが発生する可能性があり、お互いの不信感を生むことになるからです。

このようなことから最悪裁判沙汰になるケースもあるのです。

スタート時に信頼関係を損なうことは、それ以後の経営に禍根を残すことになりかねません。

また、有利な契約を結びたいという気持ちはわかりますが、それはなかなか難しいことです。

まず自分にとって有利な契約条件を提示しても、先方がそれに納得しなければ契約をすることはできません。

こちらに有利ということは先方にとっては不利になることがありますので、納得してもらえない可能性があります。

仮に有利な内容で契約したとしても、途中で不利な条件だと気づけば分院長は不満を持つことになり、最悪退職に至る危険性もあります。

また、勝手に辞められなくするための対策として、退職できない期間を長くしたとしても、分院長が法律に沿った手続きをすれば退職を止めることはできません。

契約期間を長期に確定した場合には、中途で辞めてもらいたいと思っても、できなくなるリスクを抱えることにもなります。

このようなことを考えると、自分に有利な条件で契約するよりもお互いにとってメリットがあり納得出来る内容で契約する方が適切だということがわかります。

分院長になる予定の方に分院を開設する目的や経営・医療の方針などを明確に伝え、先方の状況や要望をよく聴きながら十分話し合いをし、信頼関係を構築した上でお互いにメリットのある納得出来る契約を結べるといいですね。

そして、分院長との信頼関係を継続し、この分院で働くメリットを感じながら自らここで働き続けようと思ってもらえる環境を整えることが重要です。

そのためには理事長先生をはじめ、医療法人全体のサポートが必要です。

分院長はこれまでほとんど経営やマネジメントの経験をしたことはありません。

また、医療の経験も理事長先生の方が豊富なこともあるでしょう。

それらのノウハウを分院長にじっくりと伝えながらサポートされることをお勧めします。

その方法として私は分院長との月に一回以上の経営会議を行うことをお勧めしています。

このように分院の開設、経営は思いの外大変でセンシティブなものです。

しかし、世の中には多くの分院を開設し成功を収めている医療法人もあります。

そのような医療法人では、分院開設の目的や経営方針が明確で、分院長をはじめスタッフにそれが浸透していて、信頼関係をベースにした具体的な行動ができています。

その最大のポイントは理事長先生が経営の本質を理解し、分院長をはじめスタッフに正面から向き合い、真剣に経営に取り組んでいるということです。

分院の開設を検討されている方は、このことを心に留めていただき準備をしていただければと思います。

当社では分院の開設や経営会議実施など運営のお手伝いもしています。
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