クリニック移転や大規模改修などの実施前には詳しいシミュレーションをしましょう
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
お盆休みを終え、仕事を開始された方も多いのではないでしょうか。
今年の夏は酷暑や台風などで体調を崩しがちです。
みなさま、くれぐれもお体にはお気をつけください。
このところ、クリニックの移転や大規模改修など多額の設備投資を伴う計画をされている方からのご相談が相次いでいます。
みなさん、計画を実施しても大丈夫かどうか不安があるのですね。
私はこのような不安を持つことは良いことだと思います。
それは経営に真剣に向き合い、計画を実現するために何をしなければならないか具体的に考えている証拠だからです。
では、その不安を消すにはどうすれば良いのでしょうか。
私は計画を実行する前にできるだけ詳しい事業計画を作り、何度もシミュレーションすることをお勧めしています。
シミュレーションをする上で大切なことは、その計画の前提が現実的なものであること、資金繰りのめどがたつのかをチェックするということです。
まず前提が現実的でないと、シミュレーションしても意味がありません。
例えば、移転をすれば患者数が倍になる、医師を増員すれば急激に患者が増える、人件費や経費を大幅に下げて収入を上げるなどという計画は、よほどの根拠がない限り現実的ではないですね。
また、経営を継続するには資金繰りのめどをつけておくことは必須です。
大規模な設備投資をするときには借り入れをすることが多いですが、その条件(借入額・金利・返済期間・据置期間など)を具体的に考えシミュレーションする必要があります。
借入の返済はクリニックの資金繰りを圧迫する最大の原因の一つですので、慎重にシミュレーションする必要があります。
そして、この計画では経営が継続できず、様々な対策を検討しても無理だと判断した場合は、勇気を持って計画を白紙撤回することをお勧めします。
ただ撤回するのではなくどのような条件が揃えば計画を実行できるのか、そのためには何をすれば良いのかを考えて、計画を実行するタイミングを探るようにしましょう。
これからのクリニック経営を取り巻く環境は厳しさを増していきます。
マーケットは縮小し、競合が厳しくなっていくからです。
現在世の中で上手くいっている事例は過去の環境で実現できたものです。
そして、外から見ると上手くいっているようでも内情は火の車という事例も少なくありません。
多額の借入を伴う設備投資を行う時には、地に足をつけた事業計画を作りシミュレーションをすることをお勧めします。
【クリニックを移転する時に検討するべき項目例】
・過去の業績のトレンドを見ると移転後の業績はどのようになりそうか
・賃貸契約解約・退出時の現状復帰の条件・費用
・移転時にかかるお金
引越し費用(特に精密医療機器の移転費用)、内装費、追加購入するものなど
不動産購入時には購入資金
・移転後に必要となる費用(賃貸料、人件費など)
・移転のために必要な借入金額(設備投資資金、運転資金)
・移転後に事業を継続するために行うべきこと
etc.
状況に応じてその他様々なことを検討する必要があります。
当社ではクリニックの移転、大規模改修、分院開設時などの事業計画シミュレーションのお手伝いをさせていただいています。
ご希望の方は「事業計画シミュレーション相談」と書いて以下からご連絡ください。
「クリニックの手元に残るお金の計算方法」について以下でお話ししていますのでご覧ください。
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