定着率のよいクリニック、悪いクリニック
開業医の先生に医業経営の中で一番の悩みは何ですか、と質問します。第一位はダントツでスタッフのマネジメントのご苦労です。
せっかく採用したスタッフがすぐに辞めてしまう、スタッフ間での人間関係が悪化している、スタッフが指示に従わないなどなど・・・
本当に皆様ご苦労をされています。
高いリクルート費用を使って、教育をしてもすぐに辞められてはたっまたものではありません。
特に医師の採用は困難で多額の経費をかけているケースも多いので、辞められると大変大きなダメージを受けることになってしまいます。
そのような中でも、優秀な医師が自分から働きたいと来てくれ、定着率がよいクリニックも存在しています。
優秀な同僚、後輩、先輩の医師までもが一緒に働きたいと申し出てくれるのです。
しかも定着率がよく、長く勤めてくれるのです。
何だか夢のような話ですね。
どのようなクリニックなのでしょうか。
院長先生の最大の関心事は、よい医療、患者さんに喜んでいただける医療をいかに実現するかということです。開業以来、このことに心血を注いでこられました。この医療に対する姿勢が時間とともに患者さんに浸透し、周りの医師の方々にも伝わっていきます。
その結果、院長先生の診療姿勢に賛同される優秀な医師が一緒に働きたいと申し出てくれるようになったのです。
医師の方々には十分な報酬を約束しています。診療に対する基本的な考え方は同じ方向を向いていますので、診療内容は各先生方にまかせています。が、根本的な問題にかかわることにはきちんと指摘をします。将来開業の意思があっても、遠隔地での開業予定の医師は採用しています。
運営については基本的な考えを示し、重点部分は院長先生が押さえますが、細かい点はスタッフにまかせています。
医師もスタッフも特別の理由がない限り、ほとんど退職しないので安定した医業経営が実現しています。(残念ながらコンサルタントの手伝いなど必要がありません)
私が考える理想の経営をされています。
なかなかここまで実現するのは難しいですね。
でも、安心してください。このような先生も一朝一夕に現在の姿になったのではなく、少なくともここまで来るには10年はかかるとおしゃっています。こつこつと改善をしていくことが大事なのですね。
6月22日に放映されたTV番組「カンブリア宮殿」に広島の「メガネ21」の平本さんという方が出演されていました。
常識を覆す企業経営を実践されていて、衝撃を受けました。
平本さんが経営を行ううえで一番大事にされていることは「想いやり」です。言い換えると「自分がされて嫌なことは人にしない」ということです。
裏返すと「自分がされて嬉しいことを人にする」ということでしょうか。
このことを実践してこられたことが理想の医業経営に結びついているのではないかと思います。