クリニックスタッフの退職金制度
先日のセミナーにお申込みいただき、参加できなかった先生に資料の説明をさせていただきました。
さまざまなテーマのお話をうかがいましたが、スタッフの退職金制度について興味深いことをお聞きしました。
個人クリニックのスタッフの退職金制度は作成することをあまりお勧めしておりません。
理由は、スタッフが頻繁に退職されるケースが多いこと、退職金支払の法的な義務はないこと、退職金規定を作成すると法的義務が発生すること、一度作った退職金規定の不利益変更は困難なこと、などです。
また、生命保険を使ったスタッフの退職金積立もあまりお勧めしていません。
理由は短期の退職が多く、短期の解約は大きな損失になること、退職金の額がそれほど大きくなく現預金から十分払えると見込めることなどです。
ただ、この先生は確固とした退職金制度にたいする思いをお持ちでした。
理由は、スタッフに長く勤めてもらうため。
退職金制度や福利厚生制度など、スタッフが満足できる勤務環境を整えることで長く勤めてもらおうと考えておられるのです。
この結果、スタッフの退職はほとんどないとのこと。(このクリニックはクリニックビルの一室にあり、他のクリニクでは退職が大変多いようです。)
もちろん制度を整えるだけではなく、スタッフへの周知徹底やよい雰囲気作りなど工夫も沢山されています。
これなら退職金制度を作ってあげてもいいですね。
退職が多く、そのたびに採用広告を出したり、面接をしたり・・・
コストと手間を考えるとかえって安くつくのではないでしょうか。
先生の理念や将来構想に基づき退職金規定を作ることが大事ですね。