医業の承継は自分の想いや感情との戦いでもある
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
先日、3月に亡くなった父と何十年も仕事をしてきた方のお話を聞かせていただきました。
父は今治でタオルの仕事に50年以上携わってきて20年前にリタイアしました。
今治タオルの黎明期から最盛期を経験し、リタイアする頃は産地消滅の危機を迎えていました。
その方はその危機を乗り越えて、80歳をこえた今も現役の経営者として活躍しています。
現在は専務である息子さんへの事業の承継を考えていますが、現在の懸案事項が片づいたら本腰を入れたいとのこと。
そして、息子さんの働きぶりに満足を覚えていながら、こういうところを改善すればいいということを沢山挙げていました。
気になったので、そのことを息子さんに話して共有しているかどうか聞いてみました。
すると、まだ話したことはないとのこと。
それはもったいないですね、とお話しすると
さすが意思決定が早いです。早速、息子さんとのミーティングをすることを決めました。
このようなケースは医療の場でもよくあるのではないかと思います。
私が所属する医業経営研鑽会でも医業承継の事例を多く聞いてきましたが、うまくいったケース、うまくいかなかったケースがあります。
うまくいった要因を明確にすることは難しいのですが、だいたい以下のようなことではないかと感じています。
・承継には早目に着手し、じっくり取り組む
・承継者とのコミュニケーションを密にする
・自分が前面に出るのではなく、承継者の意思を尊重して主役になってもらう
文字で書くと簡単ですが、現実にはできていないことが多いですし、状況によっては困難なことも多いでしょう。
承継者に任せると歯がゆかったり、口を出したくなることも多いと思います。
医業の承継は自分の様々な想いや感情との戦いでもあるのだと思います。