クリニックが無法状態になってしまった、どうすればいいのだろう?

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

スタッフの勤務状況が無法状態のようになってしまったクリニックがあります。

診療中にスタッフが大きな声で私語をする。

診療時間に雑誌を読む。

診療が終わると勤務時間にもかかわらず早めにタイムカードを押して帰ってしまう。

院長先生が注意をしても悪いことだと思っていない。

等々

普通では考えられない状態です。

このようになってしまった原因はよくわからないのですが、勤務ルールを明確に決めていなかったことが原因の一つであることは間違いないと思います。

このクリニックでは開院当時から勤務ルールをきちんと決めていませんでした。

何かあったらその都度どうするかを考えていて、その時や人によってルールが違っていて統一されていなかったのです。

初期から働いているスタッフは、それまであまり勤務経験がなく、このクリニックの勤務体験が自分たちの常識になってしまったのかもしれません。

組織は外部から隔離されているので、その中で長年にわたり行われてきた慣習が、一般常識とは違ったものになってしまったのではないかと感じています。

一般常識と違っていても現在のスタッフは何も問題を感じておらず、困っていないのですが、患者さんや新しく入ってきたスタッフにとっては大きな問題になります。

事実、ネット上にはこのクリニックを受診した患者さんがネガティブな情報を数多くアップしています。また、他の医療機関で働いた経験のある看護師さんが新たに入職してもすぐに辞めてしまうなど、様々な問題が発生しています。

院長先生はどうすれば良いのかわからず、悩んでいました。

こんな時はどうすればいいのでしょうか?

まず、勤務ルールを決めてスタッフに徹底することが大事です。

スタッフはこれまでの常識が正しいと思っていますから反発しますが、毅然とした態度でルールを徹底します。

そのルールを守れなかった時には注意をし、自分がルールを守れていない、間違った状態であることを認識し、改善できるチャンスを与えます。

ここで大切なことはルールを決めて守れなかったらすぐにクビにはしないということです。

現在の環境を作った責任は院長先生にもあるはずですし、人は慣れ親しんだ状況を急に変えることは困難だからです。

しかし、改善できるチャンスをもらってもどうしてもルールを守れないスタッフには進退を考えてもらうことになるでしょう。

院長先生の考えを受け入れることができないスタッフが一緒に働くことはお互いにとって不幸ですから。

ここまで書いてきたことは以下のようなことです。

ルールを決める=院長先生の考えを明らかにする→その考えに沿って働くことを促し、変化できる機会を与える→今後一緒に働けるかどうかを考える

ここではルールを決めることが重要だとお伝えしてきましたが、それよりも大事なことは院長先生とスタッフの間の信頼です。

ルールは厳しく、人には優しくというような関係性が理想的ではないでしょうか。

これは言葉にすると簡単なようですが、実現するのは相当困難なことだと思います。

朝から晩まで忙しく診療をしながら、スタッフにも思いを馳せて、様々な仕事をすることは大変厳しいことですが、これが経営を行うということです。

すでに開業されている先生も、これから開院を検討される先生もストレスを溜めすぎず、お体に気をつけて医院経営に取り組んでいただければと思います。

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