クリニックの業務改善が進まないときの対策
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
クリニックを開院して患者さんが多くなり、診療、受付業務が忙しくなった。
待ち時間が長くなり、患者さんからのクレームが出はじめた。
そこでスタッフに業務改善を指示するがなかなか進まず、もうこれ以上改善は無理だという意見が出てくる始末。
こんなことで困っている院長先生が思いの外多いのではないでしょうか。
そんなときにはどうすれば良いのでしょう。
私は院長先生を含め、全員で業務改善のためのミーティングをすることをお勧めしています。
現在の業務を行っているスタッフは自分の価値基準や判断基準で業務の内容を決めていて、それが最善だと思っています。
スタッフ自身はそれが正しいと思い、クリニックのために良いことをしていると考えているのです。
しかし、客観的に見ると細かいところまで気を使いすぎていたり、10年に一度も起こらないようなこと、起こってもダメージが少ないことなどに対して過剰な対応をしていることもあります。
あまり意味のないことに多くの労力をかけていることが多いのです。
真面目なスタッフほどそのような傾向が強く、このことに本人は気づいていません。
誰も自分のことはよくわからず、思考回路を変えることも困難です。
なので、違った視点から現在の業務を客観的に眺め、改善点や方法をみんなで考える場が必要なのです。
ぜひ、そんな時間を必要に応じて作ってみることをお勧めします。
先日、あるクライアントでこのようなミーティングを行ったところ、ほとんどのメンバーが不要・非効率だと感じている業務をずっと続けていることがわかりました。
それも一つだけではなく、いくつも見つかったのです。
日頃の業務に忙殺され、そんなことを考えたり改善したりするだけの余裕がなかったのですね。
また、他のクライアントでは開院した数年前に導入したスピードの遅いスキャナを使っているために業務が滞っていることがありました。
解決策は簡単で、最新式のスキャナを導入するだけでした。
こんな簡単なことが見過ごされ、何年も非効率な業務を続けていることがあるのです。
ミーティングを行うのは、新たなスタッフが加入した時などが効果的です。
先入観なく業務を客観的に見ることができるからです。
また、システム機器の専門家などの外部の方に業務改善の相談をしてみるのも有効かもしれません。
そして、最も大事なことはスタッフ全員がみんなで考え協力しながら改善を進めることができる組織風土を作ることです。
ぜひそのような組織作りを進めていただければと思います。
患者さんのクレーム対策を決めるときにも同じようなことが起こりがちです。
以下の動画をご覧ください。
患者さんのクレーム、トラブル全てに細かい対応策を考えるべきなのか?