患者さんの待ち時間を減らすために診療の流れを見直す
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
「患者さんの人数が増えて待ち時間が長くなってきた。患者さんに迷惑をかけるので何とかしたい・・・」
という相談を受けることがよくあります。
相談を受けた時にはすでに様々な対策を打っていることがほとんどです。
待ち時間の目安を表示したり、
予約システムを導入したり、
番号札を渡して現在診療中の番号を表示したり、
受付や看護師さんが待っている患者さんに心配りをしたり、
待ち時間の外出を可能にして順番が来たら携帯で呼び出したり、
ホームページで説明をしたり、
待合室の環境を整えたり、
苦情への対応方法を工夫したり、
様々な努力をしています。
このように診療の前や後には手を打っているのですが、診療の中身や流れなどにはほとんど手がつけられていないことが多いようです。
その理由の一つに、今まで行ってきたことなのでこれで良いと思い込み、改善の余地があることに気づいていないことがあるように思います。
スタッフのみでなく、院長先生自身の思い込みで改善が進まないこともよくあります。
スタッフには待ち時間を短くする工夫をするよう指示しながら、患者さんと長々と世間話をすることを続けていたとしたらどうでしょう。
スタッフは
「院長先生がまず改善してから指示してよ!」
と間違いなく思っていることでしょう。
これではクリニック全体で待ち時間の改善をすることは難しいですね。
院長先生の長話は一つの例ですが、その他にも改善できることはたくさんあるのではないでしょうか。
院長先生でなければできないこと以外は他のスタッフに任せたり、同じ説明をすることが多いのであれば資料やIT機器を活用したりすることもできるかもしれません。
改善の結果、患者さん一人当たり1分の時間が節約できれば、100人の来院があるクリニックでは100分の時間短縮になります。
このような意識を持ち、先入観を捨てて改善に取り組むことが重要です。
そして、そのためには院長先生、スタッフがじっくりと改善について話し合う場を持つことが欠かせません。
忙しくてミーティングをする時間がないという方が多いですが、それではいつまでも改善をすることはできません。
そして、ミーティングで、みんなが気兼ねなく意見を言い合える環境が整っていることが大事です。
皆さんのクリニックではそのような環境が整っていますか?