医療法人はいつ設立すれば良いのでしょうか?
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
クリニックを開院したばかりや、これから開院する予定の先生から
「将来は医療法人を設立したいのですが、いつ設立すれば良いのでしょうか?」
という質問をよくいただきます。
恐らくいろいろな方から将来は医療法人にしたほうが良いという話を聞くことが多いのでしょうが、この質問に明確な答えをすぐ出すことは困難です。
院長先生の目的や経営状況など個別事情を見ながら慎重に判断しなければなりません。
医療法人を設立される目的には大きく二つあります。
一つ目は複数の医療施設や介護施設を開設するなど、経営の多角化を図ること。
二つ目は財務体質を強くすることです。
この他にも事業承継、相続対策なども目的になることがあります。
また、これらの目的が複雑に絡み合っているケースもよくあります。
まずは、何のために医療法人を設立するのかを明確にすることが重要です。
多角化が目的であれば、開院当初から医療法人を設立することも検討しても良いかもしれません。
財務体質の強化が目的なら、利益の状況をみて、医療法人設立に適した時期が来たら設立を検討しましょう。
売り上げを医療法人設立の基準に考える人がいますが、これは間違いです。
あくまでも利益を基準として考えるようにしてください。
くれぐれも注意しなければならないのは、目的もなく業績も明確に予測できない状況で、根拠もなく医療法人を設立することです。
医療法人を設立すると簡単には個人クリニックに戻すことはできません。
周りから勧められて安易に医療法人を設立し、後から失敗した・・・
と後悔しないよう注意してください。
また、医療法人を設立すると節税できると思いがちですが、そうではないこともあります。
理事報酬を多額に払わなければならず、医療法人にほとんど利益が出ない場合には効果はほとんど出ません。
また、社会保険に加入しなければならないので、設立前よりも可処分所得が減ってしまうことも珍しくありません。
設立をするときには、具体的に理事と理事報酬を決め、社会保険料なども考慮に入れたシミュレーションをすることをお勧めします。
このようなシミュレーションをすることなく、医療法人の設立を勧める人には要注意です。
そのような人は医療法人のことをよく理解できていないか、医療法人を設立させ自分のビジネスのために利用しようとしているか、のどちらかの可能性が高いからです。
医療法人の設立にはメリットもありますがデメリットもあります。
それらをよく理解して慎重に検討するようにしてください。
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