医療法人制度を肚に落ちるまでよく理解できていますか?
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
先日、群馬銀行さま主催のセミナーでお話しをさせていただきました。
テーマは
「決算書をクリニック経営に利用する方法」
で、具体的な決算書をもとに、クリニックにお金が残る仕組みをお伝えしました。
セミナーは熱心に聴いていただいたのですが、最後の質問コーナーが最も盛り上がりました。
医療法人に関する質問が次から次に出てきたのです。
まるで、日頃の鬱憤を晴らすように怒涛のような質問が続きました。
中には危険な匂いのする質問もありましたので、その一部を幾つかご紹介します。
Q1.持分のある医療法人を七千万円で買おうと思っているが、どうでしょうか?
A1.医療法人を買う目的は何でしょうか?持分があるからといって、安易に医療法人を購入するのは法的なことなど様々な観点から考えて大変危険です。持分のない医療法人を自分で設立して、上手に運営することをお勧めします。
Q2.医療法人を設立して理事報酬をもらっても、医療法人と個人の両方で税金がかかるので意味がないのではないか?
A2.医療法人を設立する目的の一つは、低税率の医療法人に資金を蓄えて良質の医療を継続することです。税金はかかりますが、総合的に見ると個人・法人の税金総額は節約できる可能性があります。
(セミナーの最初に個人と医療法人の税率の違いを説明していましたが、遅れて参加された方からの質問でした。)
Q3.持分のない医療法人で後継者がいない時に解散しなければならないが、その時に多くの資産があったらどうすれば良いのでしょうか?理事退職金はいくらまでならもらえるのでしょうか?
A3.過大な資産が医療法人に貯まらないよう、医業経営と個人のライフプランを考えて、適切な理事報酬額と医療法人の内部留保額を考えてください。理事退職金は損金に算入できる金額は基準と考えられる
計算式がありますので、それを参考にしてください。万一過大な資産が貯まったとしても、それを全額退職金で支払うことは可能です。ただし法人の損金算入ができなくなる可能性がありますので注意してください。退職金の件は一般論ではなかなか判断できないので、信頼できる税理士に相談してください。
他にもここでは書けないような質問を多くいただきましたが、とりあえずここまでにさせていただきます。
常々、医療法人の正しい情報を知らず、正しく運営できていないことが多いと感じていましたが、今回のセミナーでも再認識しました。
これらの方々に共通することは、きちんと相談できる相手がいないので、自分で本を読んだり、セミナーに参加したり、聞きかじったりした部分的な情報で判断しようとしていることです。
これでは総合的に正しい判断をすることは困難です。
そして、一般論で考えていて自分の場合はどうなのか?という個別事情で考えられていないことも大きな問題です。
このような状況を解決する最も良い方法は、信頼できる人に個別事情を伝えた上で相談し、教えてもらい、一緒に考えることです。
ぜひ皆さんもそのような方を見つけて正しい医療法人の設立・運営をしてください。
医療法人は設立すると簡単には、元に戻せません。
また、設立しただけでは意味がなく、緻密な運営を行わないとメリットがないばかりか、将来さまざまなトラブルの元になることもあります。
医療法人を設立するときにはくれぐれも慎重に検討し、運営は緻密に行ってください。
当社では医療法人にかかわらず、医業経営全般に関する無料相談をお受けしていますので、以下からお申し込みください。
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